少数株主問題に真剣に取り組んで感じたこと

監修弁護士
河合 弘之

少数株主問題に真剣に取り組んで感じたこと
ここ数年、もう5年ばかり少数株主問題に真剣に取り組んできました。実にたくさんの方にお目にかかりました。
いやぁ大変です。
何が大変かというと、一人ひとり解決すべき問題点が異なっており、それに対する解決策をオーダーメイドで考えなくてはならないからです。
「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。」 とはトルストイの言葉ですが、まさにそのような感じです。
解決策をパターン化できないため、相談に来る方のお話をよく聞いて、どこに解決の糸口があるか探すところから始まります。
一言で言うと手間がかかる。
これは問題を一人で抱えていた株主の方もさぞ悩んだことと思います。
解決策を見出せないまま堂々巡りに陥るのもよくわかります。
それでも最近は、私だけではなく少数株主問題に取り組む弁護士が増えてきました。
一度私のところに問い合わせがきて、決算書などの基本的な資料を送ってくださいと依頼したら、なぜだかパタっと連絡が途絶える方が多数おり、なんでだろう?他の事務所もいくつか問い合わせているのかな?と不思議に思っていました。
そしてふと気づきました。
そうか、会社との関係が悪くて、決算書すら送ってもらえないんだ!
普通の会社運営では年次で株主総会が開かれ、株主の承認を得るために「株主総会招集通知」が送られてきます。
決算書と、その年の株主総会決議事項が添えられているのが一般的で、毎年送られてくるはずなのです。
聞けばやはり「株主総会招集通知」が送られてきたことがない方がけっこういます。
いやはや、まさかこんなことが起こっているとは。
皆さん!会社には「株主総会招集通知」を発送する義務があります!
会社法で定められています!
その旨を相談者に伝えて会社に電話してもらうと「同族企業でそういうものも決算書も送らない」と言われたと聞いてさらに驚きました。
従前からの慣習を盾に当たり前のようにしていますが、会社は会社で会社法を逸脱した行為を平然としていることに何も感じないのだろうか。株主に株主総会開催の通知もせずに、決算の承認、決議事項を自分たちだけで承認していることに法令違反の危険性を全く感じていないのだろうかと不思議に思います。
そういう方にはそこから私が一緒にサポートします。
株主名簿、決算書が入手できないからといって諦めないでください。
弁護士から一報を入れたら、会社側の対応も変わるでしょう。
諦めるのは出来ることを全てやってから!
解決への糸口を、一緒に探してみましょう。
私が少数株主問題を重点的に受任している理由は、これが「これが隠れた社会問題」だと思うからです。
少数株主といえども持ち株割合に比例した利益を受ける権利があります。
それが資本主義社会における正義です。
それなのに日本では配当はもらえない、役員にもしてもらえないから役員報酬ももらえない、経営に関与できない、しかし相続となるととんでもない相続税がかかる危険がある。
踏んだり蹴ったりではないですか。
そういうひどい目に遭っている少数株主が日本国中に溢れています。
でもこの問題は社会的に顕在化していないし、マスコミも取りあげません。
個人の利益問題だからです。まさに「隠れた社会問題」です。
会社に株式買い取り義務を負わせる法改正をすればよいのですが、そのような動きは全くありません。
今のところはひとつひとつ丹念に取り上げて解決していくしかないかもしれません。
私はそれをやっています。
株式の売却、相続に関することならお気軽にご相談ください。
弊所は非上場株や譲渡制限株の売却ができず苦しんでいる株主へのサポートや、相続税の支払いの為、発行会社へ買取りを打診したが「応じない」「不当に安い価格を提示する」企業への交渉を得意としています。
相談は無料ですのであなたの今のお悩みをまずはお気軽にご相談ください。
この記事の監修者

様々な難事件、大事件への対処を得意としており、強大な敵や困難にも立ち向かい成果を挙げ続けた実績のある「逆襲弁護士」です。